2021年11月に南アフリカで初めて報告されたオミクロン株は、世界中で感染が急速に広まっており、その感染力はデルタ株の4倍近くあると言われています。その一方、重症化リスクは従来株に比べ、低いという報告もでており、そこまで危惧する必要は無いのではないかという声も上がっております。実際、オミクロン株はどれほど危険なのでしょうか?

南アフリカでは、オミクロン株はデルタ株に比べ、入院率が低いと考えられており、ヨハネスブルクの医療機関は、オミクロン株は他の変異株に比べて、入院リスクが約29%低くなることを2021年12月に報告しています。南アフリカの報告からすると、オミクロン株は危険性の低い株のように思えますが、研究者は「研究の詳細はまだ公開されておらず、確認するには時期尚早である。」と指摘しています。 デンマークやイギリスでは、症例数は少ないですが、オミクロン株は他の変異株と比べて、入院リスクの差が無いと報告しています。また、南アフリカのオミクロン株感染者は、従来株に感染したことがある方やワクチン接種された方がほとんどなので、南アフリカのデータで、オミクロン株本来の危険性を判断するのは難しいと専門家の方は考えています。オミクロン株の重症化リスクが判明するには、更なる研究結果の報告を待つ必要がありそうです。

では、ワクチンの効果はどうでしょうか?カルフォルニアの免疫学研究所は、オミクロン株は変異箇所多くあるが、免役に重要なT細胞が認識するタンパク質のフラグメントには変異が無く、ワクチンのフラグメントと比較しても、70%以上同一であると報告しています。ワクチン接種や他の株への感染によって生成されたT細胞が、オミクロン株に対して、どのように反応するかは現在検証されていますが、専門家の方は「少なくとも部分的には反応性が維持されると楽観的に考えている」とコメントしています。そのため、ワクチンはオミクロン株に対しても、ある程度の効果は期待できると考えてよさそうです。


本内容に関する記事は、オンライン科学雑誌「Nature」(2021年12月17日付け)に掲載されています。