新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路、及び、SARSとの類似性について

中国武漢で発生したSARS-CoV-2は、世界的に猛威を振るっており、2020年4月22日時点で、193の国・地域で計252万5240人の感染が確認され、死者数は17万4001人にも上ります。現在も感染拡大は続いており、一刻も早い感染経路の解明、治療薬やワクチンの開発が望まれております。

コロナウイルスは、コロナ(王冠)のような形をしたタンパク質(スパイク)が突出している形状から、コロナウイルスという名付けられており、スパイクは宿主に感染する際に重要な働きを担っています。SARS-CoV-2と2002年に感染がひろがったSARSウイルス(SARS-CoV )は同じウイルスに属し、スパイクのアミノ酸配列が76%程度一致していることが分かっています。

ドイツ霊長類センターの研究グループは、SARS-CoV-2の感染経路を解析した結果、SARSウイルスと同じく、宿主細胞のACE2受容体に結合し、セリンプロテアーゼTMPRSS2を介して感染していくことを解明しました。TMPRSS2阻害剤は臨床使用が既に承認されており、新型コロナウイルスの治療への応用が期待されます。さらに、SARS患者の血清は、SARS-CoV-2を中和することを明らかにし、こちらも新型コロナウイルスの治療効果が期待されます。

この記事に関する論文は、オンライン科学雑誌「Cell 誌」(2020年4月付け)に掲載されています。

References:
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(20)30229-4